#96 家庭環境

 "頂きリリちゃん"と呼ばれた女の詐欺事件を、報道番組で放送していた。その中で、家庭環境について触れている点があった。この詐欺行為をした女は、家庭の中で親から愛情を受けられていなかったというような表現があった。

 教職免許の取得に励んでいる学生の端くれとして、授業の中で、こんな話を聞いた。自分が先生になった時に、毎日のように、「先生、先生」とかまって欲しそうな子供がいたら要注意のサインであると。このような子供は、家庭の中で愛情を受けておらず、学校で先生から愛情をもらおうとしている可能性があるというのだ。

 そのほかにも、家庭環境の問題に関するサインがあり、それらについての教えをいくつか大学の講義の中で受けてきた。しかしながら、教員という立場のものが、どこまで家庭の中まで首を突っ込めるか、その点についてはこれまでも問題視されてきており、これからも問題になっていくことだろう。

 愛情を受けられなかった子供、という点について、残念ではあるがデータとして自己を否定してしまったり、犯罪行為に走ってしまったりというケースが数字的に多くなってしまう。我が子に愛情を注ぐということ。これが難しい家庭環境は、どうしてもあるのだろう。誰もがこのような家庭を増やそうとは思わないし、むしろ減らしたいところである。せっかくこども家庭庁が新設されているのだから、何か打つてはないのか。議論されているのだろうが、もっと表面に出してこなければ、愛情不足の子供達が次々に生まれてしまうことを絶つことができないだろう。