#30 お金恵んでください

 今日のタイトルは、「お金恵んでください」。普通であれば、どう思うだろうか?
 東京都にある国立科学博物館では、運営資金が不足し、クラウドファンディングを行なった。国立の科学博物館が、「お金を恵んでください」と言うのは異例の事態である。

 国立科学博物館(以下科博)は、収入の8割が国の運営費交付金を占める(毎日新聞調べ)。しかし、その国の運営費交付金も、各法人の運営に関する基礎データによれば、科博の運営交付金(新刊運営費他及び特殊業務経費を除く)は、29%減少(H13:2,614百万円→H23:1,884万円)しているそうだ。これに、今日の光熱費高騰が追い打ちをかけ、運営困難になった。科博側から国に、直談判をしたが、断られたと言う。

 とにかく、我が国は、学びや研究に対するお金を全くと言っていいほど出さない国である。日本人がアメリカに渡り、アメリカでノーベル賞を取れば日本人がノーベル賞を取ったと変に賞賛し、なぜアメリカで日本人が?というところを、報道は追及しない。私の所属する大学にも、私の大学以外の大学の教授が出入りし、講義を行なっているが、教授たちは口を揃えて、とにかく国からの研究費が少なく、研究どころではないと言う。

 それにも関わらず、選挙演説とは逆方向の政治運営をし、議会では船を漕ぎ、簡単にパーティーを開き、毎日のように外食で実の少ない懇談会をし、視察と称する旅行に行き、何かが起こればプラスのの方向性の定まった結論が全く出ない〇〇委員会を開くお役人は、こうして優れた学びができなかった若者に、どのような未来を描かせようと思っているのか。将来の我が国の成長を期待できる政治運営ができているのか、今一度見直してほしい。が、この見直しにも、○億円、○千万というお金が下手に使われてしまうのだろう。