#39 学生の夢

 4ヶ所目のインターン4日目。最終日。

 この日は、最終日ということもあり、若手職員と話す機会を設けてくださった。その中で、自分が最も不安に思っていたことの質問を投げかけた。

 「採用試験は、土日ですか?」若手職員は、それを聞き、すぐに調べてくださった。帰ってきた返事は、「去年は○曜日で、平日だね」これを聞き、私は愕然とした。

 なぜ、平日ではいけないのか。私には、来年のその時期に教育実習が控えている。だが、教員になる予定はほぼない。では、なぜ、教員免許の取得を目指しているのか。と思われるのも仕方がない。それには、理由があるからだ。その理由を話すと、ここでは長くなるため割愛するが、それを話した時に、納得しなかった人はいなかった。といえば嘘になるが・・・。

 大学で、教員免許を取得するが、教員にはなりません。と言うと、怒られる。私には、これが理解できない。教職の講義を取ったら教員になりなさい。というシステム。なぜ大学生の私が、大学の職員に私の人生の選択を拘束されなければならないのか。理解に苦しむ。自分の人生・自分の生き方なのに、なぜ方向性が決められてしまうのか。

 来年の採用試験の時期。教育実習も休むことができない。それを思い切って、人事担当者に相談した。すると、担当者はこう答えてくださった。

 「教育実習で来れないなど、特別な理由がある方は配慮しますし、そういう方に対しては、割と日程は緩めにやってますので、安心して受けてください」

 これを聞いた私は感謝の言葉しか出なかった。まともな大人とは、学生の夢を応援してくれる人。そういう人ではないか。と思った日だった。