#48 ガソリン

 田舎に住む私にとっての生活必需品とも言える車。その車を動かすためには、当たり前だが、ガソリンが必要である。

 先日、ガソリンを入れ、値段に驚愕。1L当たり177円。都会に比べたら安いのかもしれないが、この値段は、見たことがない。

 もちろん、国民は、これに対し、黙っているわけはなく、その中でも特にトリガー条項については私も疑問を呈したい。2010年の税制改正で導入されたトリガー条項、ガソリン価格の高騰時には揮発油税を引き下げるとするものである。しかし、2011年の東日本大震災による復興財源確保として一時凍結されている。

 私は、この1年で東日本の復興状況を見るべく、宮城県に2度行った。何を持って復興というのかは人それぞれだろうが、明らかにお金の使い方を間違っていると肌で感じた。数十億かけて防潮堤が建設され、守るものは何もない。住民はすでに高台移転。雄勝町に行き、雄勝病院があった場所では、まさにそう感じた。道路と、慰霊碑があるだけの場所に、巨大な防潮堤が建設されている。これは、本当に正しい税金の使い方なのだろうか。

 宮城県の沿岸部を周り、多々そう感じる場所があった。そして、これでもなお、どこにお金をかけるつもりなのか。私には理解できなかった。国民から回収したこの多額の復興のための税金が果たして100%、復興のために使っているとは到底思えない。現に、復興税のうち、1270億円は防衛費に使われた。もはや復興のかけらもない。にもかかわらず、トリガー条項は凍結し続けるのだろうか。

 税金で潤った政府は、この甘い生活を覚えてしまい、この制度を発動することはもうできないだろう。