#32 8月9日

 「放射能に汚染された灰色の世界ではなく、命輝く青い地球を次の世代に」

 今日、長崎県で行われた長崎平和記念式典で被爆者代表としてそう誓いの言葉を述べたのは工藤武子さんである。広島に原爆が投下されてわずか3日後、長崎にも原爆が投下された。広島の原爆とは性質や形状が異なり、プルトニウムを用いた原子爆弾である。見た目から「ファットマン(ふとっちょ)」という意味の名前が付けられた。

 唯一、広島の原爆と同じ点は、爆撃機である。その爆撃機は、B-29と呼ばれており、当時のアメリカが持っていた技術の結晶とも言える機体であった。その期待も約20%は、撃墜されている。しかしながら、日本全土をはじめ各地でアメリカ軍にとっては活躍した機体となった。

 そのB-29であるが、ボーイング社が開発した機体である。つまり、我々日本人は、先祖が爆撃に遭った機体を開発した会社の旅客機に乗っているという、興味深いことが起こっているのである。決してボーイング社を批判する気は無く、また、ボーイング社を使うなという気持ちもない。しかしながら、これは一種の平和の象徴ではないかと私は思う。今や、日本とアメリカは過去に類を見ないほどの親交であり、初めて当時の現職大統領としてオバマ大統領が広島の平和記念公園で演説をした際に、お亡くなりになった被爆者はどう思われたのだろうか。

 日本の外交関係の重要性を改めて認識する必要性と、”外交”というものがいかに重要か。過ちを犯した人間の過去があるからこそ、私たちはそこから学びを得て、武力をもって、物事を解決しようとせず、常に対話することが、命輝く青い地球を次世代に繋げる1つの方法であるだろう。と考える。